情熱大陸(秋本治)の仕事術 〜備忘録〜

3日くらい前だったか、TBSの「情熱大陸」で漫画家の(秋本治さん)が特集されおりました。秋本治さんといえば、日本一有名な警察官(両津勘吉)の生みの親であり、累計発行部数が1億3000万部を誇る「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(全24文字)の作者でもある売れっ子漫画家さんです。

自分も大好きな漫画の一つで、コミックが出る度に1人で笑い転げています。(笑)
こち亀の魅力である(秋本先生の守備範囲の広さ)は何処から来ているのか。「こち亀」の制作過程に3ヶ月間密着取材した回だったのですが、印象に残った箇所を“徒然なるままに”メモってみます。


こち亀について


秋本治の仕事場は葛飾区にある「アトリエびーだま」。
両さんとは対照的に、ギャンブルはやらない。(本人曰く:調べてて面白いとは思うけど・・)
こち亀は、2009年2月現在でコミックス163巻。累計発行部数は1億5000万部。
こち亀に登場する「特殊刑事課 海パン刑事(汚野刑事)」のモデルは、映画監督「北野たけし(ビートたけし)」。

北野武インタビュー

ガチャついた漫画なのに細かいよね、ちゃんと事なんかリアルに書いてある。

主役の方がアバウトで、後ろのアレ(背景)の方が凄いよく描いてあるときがある。逆に言えば漫画をしっかりさせている理由かもわかんない。


秋本治


Q.特技は? A.締め切りに遅れないこと。
Q.地球最後の日 何をして過ごす? A.書いた漫画をじっくり読む・・はい。(1巻から)
Q.無人島で暮らすことになったら、もって行く物は? A.アシスタントと担当者を連れて、無人島で漫画を書きます。


アトリエびーだまについて


・朝、アシスタントが必ずすること⇒タイムカードを押す。
・「アトリエびーだま」は有限会社。

毎日、スケジュール通りに働いているそうです。

朝 7時〜12時(仕事)
  12時〜13時(昼食)
  13時〜17時(仕事)

夜 17時〜18時(夕食)
  18時〜20時(仕事)

・秋本先生曰く、アシスタントの生活を安定させるため。
・アシスタントは総勢7人。全員が、背景から人物までをこなせる職人集団。
・秋本先生⇒アシスタント全員にクリスマスプレゼント。
・秋本先生⇒漫画を書くときは右手に白い手袋。(右利き)
・昼食はいつも持参したお弁当。(栄養管理は奥さんまかせ)
・これまでに描いた原稿は、全て自分で管理。

スタッフ:先生血液型は何ですか?
秋本先生:別に・・Aですね。ハハハハ!!

・仕事の途中でも、時間になれば仕事終了。
・残業は滅多にしない、残った仕事は家に持ち帰る。


こち亀に対するこだわり


両さんを描くときには、決まった順番がある。⇒眉毛から描く。

理由:

秋本先生(バランスが取り易いんですよね。顔を描く場合は十字を切って目を入れてっていうのがあるけど・・。眉毛だと丁度中心に来るので、目の位置や鼻の位置とか収まり易いんですよ。)

・警官の制服からベルトがどの程度見えているのか、実際の写真をチェックして忠実に再現する。
・バックならボタンの1つまで忠実に再現。
・編集者に渡す原稿は2つ。(1つは先々へのストック)
・33年休載なし。記録は今も続いているそうです。

漫画家 秋本治


・子供時代の宝物は「マンガ家入門」という本。(本人曰く、擦り切れるまで何度も読み返したそうです。)

おそらく、石森章太郎さんが1965年に出版した「少年のためのマンガ家入門」だと思われます。
図書館でも(書庫扱い)ですが、保管してあるようなので気になる方はそちらで探してみてください。

Yahoo!オークション - コミック 『少年のためのマンガ家入門』石森章太郎 秋田書店刊

・23歳・・初めて漫画雑誌の新人賞に応募⇒こち亀

Q.秋本治が怒っていることは? A.情熱大陸の収録が長い(密着3ヶ月間)。

こち亀の制作過程


秋本治のネタ元は新聞記事の切り抜き。(本人曰く、テレビだといっきに全国に広まってしまうけど、新聞は読んでいる人が少ない)という理由だそうです。
・取材の必需品(ビデオカメラ・デジタルカメラ
・足と目で取材がモットー。(花やしきの乗り物にも、自分で試して乗り心地をチェック)
秋本治の細部へのこだわり⇒花やしきの門が新しくなった事まで、漫画の中で忠実に再現。
・週に1度、ファミリーレストランでネーム作業をするのがお決まり。(秋本治、第2の仕事場)
・開店と同時に来店し、夜の7時まで計9時間ぶっつづけで作業。
・席を立つのは、トイレとコーヒーのおかわりの時のみ。

秋本

4ページまでが勝負。
4.5でつまんないと、読者があきちゃうんですよね。
逆に7ページまで読んでくれれば、もう一気に行く感じになる。

秋本治 33年間の漫画家人生とこち亀


Q.飽きたりってないんですか?

秋本:

10年目、20年目の節目に考えるんですよ・・。
その時は“自問自答”して、よし!新キャラ出してみょうとか、別な展開を考えてみょうとか。

秋本

ありがたいこと、好きなことが仕事になって締め切りを守ったら褒められるんですよ。(笑)
昔は漫画かいてて怒られたんですから・・。

こんな良いことはないですよ。

この年になっても面白いものができて(あ〜早く読者に見せたいな)っていうのがあるんで、それが一番魅力なのかな?

             

@おまけ