全てのONE PIECE読者のバイブル「ワンピース最強考察」がすごい

ワンピース最強考察
ワンピース最強考察
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先日、買った「ワンピース最強考察」という本がとても面白いです。ワンピースも魚人島に入り物語も中盤、海軍本部の白ひげVS海軍の戦いは読者を熱狂させ、ワンピース零巻ではロジャーの経歴が明かされたわけですが、まだまだワンピースの中には伏線がいっぱいです。そこで今回は、そんな「ワンピース最強考察」の中から、気になる伏線を読者の皆様にお届けしょうと思います。

海賊王ロジャー 嘘のブラフ

さまざまな伏線が張りめぐされている長編漫画「ワンピース」。それは第1話の1コマ目からすでに張られているのかもしれない。全ての物語は、1コマ目の海賊王ロジャーの公開処刑から幕を開けたのです。
「富、名声、かつて、この世の全てを手に入れた男 海賊王ゴールド・ロジャー彼の死に際に放った一言は全世界の人々を海へかと駆り立てた」
「あれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ…探してみろ。この世の全てをそこに置いてきた」

これは今だ明かされていない、ワンピース最大の伏線ですね。物語全体がここから始まったといって過言ではありません。

ロジャーはグランドライン制覇を成し遂げましたが、世界をひっくりかえすことはできなかったのでしょう。つまり「ひとつなぎの大秘宝」を見つけてさえ、ないのかもしれません。不治の病かかっていたロジャーは自分の代わりに「ひとつなぎの大秘宝」つまり「世界をひっくり返す」ことができる者を見つけよう思ったはずです。それが自ら公開処刑で放ったあの一言なのかもしれません。「世界をひっくり返す」ことができる人物を導くために全世界を巻き込んで、死に際に「ブラフ(大嘘)」をかましたのかもしれません。

むぎわらの一味「10人目」の仲間は現れるのか?

2010年11月4日に発行された「ONE PIECE GREEN SECRET PIECES」には制作
秘話として麦わら一味の初期構想が掲載されていた。この初期構想では(後期も含めて)麦わらの一味は9人しか紹介されていなかった。しかし「ワンピース」の1話目である「ROMANCE DAWN 冒険の夜明け」でルフィは「んん…!まずは仲間集めだ10人は欲しいななァ!」と言っていた事から、麦わら一味は10人体制で、今後もう一人仲間になると思っていたんですが、初期構想の時点で9人なら、これは仲間加入はないのでしょうか?否!麦わら一味はやっばり10人体制になると主張したい。

そして、ワンピース読者にはお馴染みである作者尾田っちとの交流の場であるSBSでこんな会話がやりとりされています。

尾田っち!僕、すごいことに気づいちゃいました!
それは麦わら海賊団の能力者の食べた実を、数で表すと1−10の数になるんです。

ルフィ→ゴムゴム(5・6・5・6)
チョッパー→ヒトヒト(1・10・1・10)
ロビン→ハナハナ(8・7・8・7)
ブルック→ヨミヨミ(4・3・4・3)

(1・3・4・5・6・7・8・10)と、でも(2・9)が無いという事は、
ニキュニキュの実(2・9・2・9)を食べたバーソロミュー・くまが仲間になるという事ですか?教えてください!

尾田「なにィーっ!いやーびっくりしました!どういう意味で驚いたかって?ノーコメント!」

麦わら海賊団の船を2年間にわたり死守してきたバーソロミュー・くまの仲間入りは十分にありそうですね。伏線王の尾田っちのことですから考えていても不思議ではありません。個人的にはマリンフォードでルフィを救ったジンベエ辺りの加入も考えなくもありませんが、この辺は尾田っちのみぞしる部分なのかもしれません。

アーロンパークとシャボンディパーク

ところで、10巻69話で登場したアーロンの居城「アーロンパーク」ですが、連載当時、あの恐ろしいアーロンが、なぜ「パーク(公園)」だなんて可愛らしい名前を付けるんだろう…なんてチョット思いませんでしたか?その伏線の答えは51巻の遊園地「シャボンディパーク」を見比べて下さい、建物の造形がそっくりです。51巻499話ではっちゃんはこう言っています。「人魚も魚人も子供の頃は必ずここに憧れるんだ」そして「いいなー観覧車…」と言っている回想シーンの4つの影をよく見てみましょう。それはおそらく右からアーロン、クロオビ、はっちんゃん、チュウ、4人の子供時代でしょうね。

聖地マリージョアと王族たちとポーネグリ

16巻142話を見ても分かる通り、この世界の政治を行なっているのは天竜人ではなく王族たちだということはわかります。この回想シーンで、世界170ヶ国以上の王族が、聖地マリージョアに集まって「世界会議(レヴェリー)」を行なっていました。司法の島「エニエスエス・ロビー」でも、スパンダムがルフィに対して、世界というものがどれほど凄いかを語っていましたね。そう、ここでのポイントは世界が「結束」しているという点です。これを踏まえて、24巻218話のコブラがロビンに言った意味深な台詞を思い出してください。

「語られぬ歴史…紡ぐ事ができるのか?その歴史が歴史の本分だと言うのか?」
「ならば何故、我々は!」

ポーネグリフはスカイピアで発見したゴールドロジャーの言葉が印象的ですが、一番初めに登場したのはアラバスタ編ではないでしょうか。この頃からワンピースは何か大きな伏線を張った作品になっていたった気がします。

アラバスタ王国・国王値ネフェルタリ・コブラはロビンをポーネグリフに案内した時に「アラバスタの国王は代々、これ(ポーネグリフ)を守りことが義務づけられている」と語れば、ロビンは恐ろしい形相で「守る…?笑わせないで!」とマジ切れしていました。

ここまで長いて、本書独自の考察をまとめると、

  • 800年前、天竜人の祖先らが「ある王国」を滅ぼして?「世界政府」を作った。
  • 「ある王国」はその歴史(空白の百年)を過去に残すため「ポーネグリフ」という石碑を残した。
  • 「ポーネグリフ」は砕けないので、世界政府は世界各国に石碑を守るように指示?
  • 現在、天竜人は各国の石碑が守られているのか視察している。
  • 革命軍は世界各国の石碑を奪取して、歴史を暴くため(?)に戦争を起こしている?
  • 「ある王国」と「月の古代文明」「黄金都市シャンドラ」「からくり島」には関係がある?

黒ひげケルベロス

ワンピースにとってルフィの敵討ちの相手でもあり、今作で大きな要素を担うであろう黒ひげの存在は忘れてはなりません。四皇の一人であるシャンクスに傷を負わせ、白ひげからグラグラの実の能力を奪い取った謎。その辺りに焦点を当てて解説していきたいと思います。

黒ひげは、サッチが入手した「ヤミヤミの実」を奪って自分の能力としました。さらに白ひげの「グラグラの実」も奪いました。通常「悪魔の実」はひとりひとつまでしか食べることができないはずですが、黒ひげはなんらかの方法で、ふたつの実を食べて(?)ふたつの能力を得ました。それを可能にした理由とは…。

「普通の人間ならば…絶対に無理だよい 体の構造が異形なんだよい」

黒ひげの体は「異形」。これは45巻440話でエースが黒ひげに言っていた「人の倍の人生を歩んでいる」という発言も気になるでしょう。

今後、物語において麦わら海賊団と黒ひげ海賊団と戦うことは必須でしょう。その謎に包まれた黒ひげですが、本書では黒ひげの謎についてこんな考察がなされています。

黒ひげは「ヤミヤミの実」を食べる前に、おそらく「動物(ゾオン)系の悪魔の実」しかも「幻獣種」の実をすでに食べていたのかもしれません。すでに2つの悪魔の実の能力を体に宿しているわけですから、3つでも問題なそうです。

黒ひげが最初に食べた動物(ゾオン)系の実とは…、たとえば幻獣種「ケルベロス」もしくは「キメラ」なのではないでしょうか。「ケルベロス」は3つの頭をもつ黒い犬です。「キメラ」は「ライオンの頭」「蛇の尾」「ヤギの胴」をもつ、どちらもギリシャ神話の魔物。この実を食べた者ならば、3つの悪魔の実を食べ、3つの能力を所有できそうな。

そして黒ひげ初登場の24巻では…

「あいつじゃねぇ…」「あいつらだ…たぶんな」

黒ひげの中にいる複数の肉体を感じ取った…そんな風にも?

じつは黒ひげのこれまでの食事シーンを注意深く追うと、黒ひげの利き腕が「右利き」なのか「左利き」なのかという疑問にブチ当たります。24巻223話の黒ひげは、右手でパイを食べて右手で飲み物を飲んでいます。24巻225話の黒ひげは、右手でパイを食べて右手で飲み物。54巻524話の黒ひげは、右手で食べて左手で飲み物。595話の黒ひげは、左手でパイを食べています。つまり、4度もパイを食べるシーンを描いていて、利き手がてんでバラバラです。黒ひげの体内に3体の魔物が潜んでいても、おかしくはないのかもしれません。

あれはあくまで考察なので、今後、ワンピースがどんな展開を進んでいくのか、それは作者である尾田先生しか知りません。しかし、一考察として考えればとても示唆にとんだ内容だったのではないでしょうか。ワンピースを読み返して、ああっこここか!と思ったり、また新しい試みが楽しめるのかもしれません。

その他、詳しい解説は本書をお読みください。

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