ドラえもん映画は声優業界を衰退させるのか? 〜芸能人声優が観るべき2つの動画〜
今年もやってドラえもんの季節がやってきた。(もう完全に出遅れムードですが・・)先月、待望のドラえもん映画最新作「新・のび太の宇宙開拓史」が劇場公開となりました。前作の「緑の巨人伝」が不評だったコトと、ドラえもん映画の中でも傑作中の傑作と呼び声高い「のび太の宇宙開拓史」のリメイクとあってか、いつも以上に熱気ムンムン♪
Yahoo映画の評価を見ても(5点満点中、3.36点)という上々(?)の評価を受けているようです。
が、しかしですよ!毎度毎度、もう春の風物詩と化している「芸能人声優さん」の問題がファンの間で賛否を呼んでいるのです。ちなみに今作、「新・のび太の宇宙開拓史」に起用された声優さんは、というと、以下の面々方・・。
ロップル(声:櫻井智)
チャミー(声:佐久間レイ)
クレム(声:アヤカ・ウィルソン)
ライザ(声:渡辺菜生子
モリーナ(声:香里奈、10歳時:堀江由衣)
バーンズ博士(声:堀内賢雄)
船長/市長(声:佐藤正治)
カモラン(声:茶風林)
ブブ(声:峰あつ子)
ギラーミン(声:大塚明夫)
バカラ(声:大川透)
ダウト(声:徳井義実(チュートリアル)
ウーノ(声:福田充徳(チュートリアル)(※太字が芸能人声優さん)
前作の「新・のび太の魔界大冒険」、わさドラ映画第1弾「のび太の恐竜2006」に比べると芸能人への依存度やメインキャストへの起用は控えめになってるものの、モデルさんや芸人さんを声優として起用したり、柴咲コウさんの主題歌起用とか、何だか作品の中身ではなくって(話題性)で観客動員数を増やそうとする姿勢・・思惑というか、何と言うか。その辺も含めて、ドラえもんファンとして純粋に作品を楽しめない(ふにゅふにゅヘニャヘニャ〜♪)な気持ちになってしまうんです。
今回リメイクされる「のび太の宇宙開拓史」といえば、ドラえもん映画の中でも1.2を争う名作。ラストでコーヤコーヤ星を救ったロップル君の勇姿、そしてのび太の放った「こわれる前はこわれてなかったんだろ?」という名言。どう転んでも面白くなる、数十年先まで保険料が支払われている「藤子保険」に加入している名作中の名作ですよ。
なのに、藤子保険とは別の「かけ捨て型保険」に加入してうとしているのです。リメイク作品だから新旧の好みはあれど、これだけ「雁字搦め」的に保険が入っているんだもん。そりゃ1つや2つ不満くらい出ますよねぇー。(笑)
1.芸能人あんしん観客動員数保険。
2.がっちり誘導人気歌手保険。
3.手ごろで安心リメイク保険。
40周年でも入れる・・安心だね。(地井武男さんですかっ!!)
ドラえもん映画は声優業界を衰退させるのか?
ドラえもん映画に中身については、スタッフさんの努力とか俄か知識で批判するのは失礼なので、もう強くは語りません(語りつくされた感もあるし・・)。ただ最近ふと、ドラえもん映画について別の視点から思うコトがあって、それは・・
「もしも自分が声優さんだったら、芸能人声優をどう思うんだろう?」
という事なんです。
(※業界人ではないので、俄か知識で語ります。)
まず声優=俳優なので、全国にあるプロダクション直結のオーディションを受け養成所に通いました。
そこで基礎となる発声方法や、アクセント、イントネーションをしっかり学び、その後に演技などの実技にはいり、慣性を磨いて行きます。基礎をある程度できるようになって、地方から東京に行き、アニメ関係に強いプロダクションのオーディションを受けそこから仕事がもらえるまで基礎訓練の繰り返しが待っています。
もちろん、仕事がもらえるまで何年もかかる人は山ほどいます。
私の場合は、所属までは行きましたが、仕事がほとんどなく、生活するのが大変だった為やめたわけですが・・。
うーん年齢にもよるけど、高校生や大学生なら背後に(就職)という二文字が付いて来るだろうし、それでお飯を食べていかなければならないプレッシャー。ミュージシャンや芸人さんと同じように、就職と競争がセットで結びつくシビアな世界だって思うんです。
表では華やかな世界で「林原めぐみさん」「堀江由衣さん」「平野綾さん」人気声優が活躍しているけど、その裏では何倍もの敗者が横たわっている。視聴率が悪ければ容赦なく打ち切りだし、たとえ作品が数年続いたとしても、その先に継続して仕事があるとも限らない。「ドラえもん」「ちびまる子ちゃん」「サザエさん」10年以上続く長寿番組は幾つかありますが、そこで活躍するチャンスを掴むのは数人〜10数人という一握りの人たちだけ。
声優さんって、臭い話ですが(夢と憧れ)の塊みたいな仕事なんじゃないかと思うんです。
ジブリの宮崎駿監督のようなアニメ監督っていうのは、自分の作品を世の中に公開して、自分の思いの丈を(生きろ!)みたいに、世間に伝える事ができる。観る側も(あー、もののけ姫のおじちゃんだ♪)とか、世間的にも認知されて評価される。でも声優さんは、基本的に“顔出しNG”。ドラゴンボールの「野沢雅子さん」位の知名度があれば別ですけど、声優マニアの方は別として、殆どの人に名前も顔も知られてない“名無しのゴンベイさん”状態なんですよね。
で、そんな声優さんにとって(人気アニメの声優を担当する)というのは、一種のステータスであり、夢でもあると思うんです。野球で言ったらWBC。サッカーで言ったらワールドカップ。スポーツで言うオリンピック。みたいな・・。
芸能人の方を宣伝目的で起用する。それってWBCの4番が(SMAPの中居君や、カトゥーンの亀梨君)になるのと同じコト。それは努力して練習してきた選手の夢を潰すだけでなく、「声優は主役を演じられない」という宣告でもあると思うんです。
ただ俳優を声優に起用する点でいえば、宮崎監督や原恵一さんのように(声優の独特の声が作品に合わないから)あえて俳優さんを起用する。逆に、押井監督のように(声優という職業を評価して)あえて声優さんを起用する。
宮崎駿作品がそうした映画の筆頭と見られやすく、原恵一も声優のオーバーな演技やいわゆるアニメ声が苦手であるとして自身の監督作品で芸能人や劇団の子役・俳優を起用し、富野由悠季も声優の演技は型にはまっているとして、演劇系の役者のナチュラルな演技を買っている。
そういう姿勢を明確に打ち出している作品に関しては、「崖の上のポニョ」「イノセンス」に代表されるように興行的にも成功を収めています。逆に、姿勢が明確でない作品程、興行的にも作品的にも泣かず飛ばずであったり、ファンから非難を浴びてしまう。
で、何だかんだデカイ口を叩いてますけど、言いたい事は1つなんです。
アニメは楽しむためのものでしょ!「要出典(はてなブ)」
芸能人声優が観るべき2つの動画
この記事を書こうと思ったきっかけは、声優さんが役を演じている動画をYouTubeで見たからなんです。(↓)
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