CMが“続きを見るための”チケット代だった時代。

地デジ移行まで残り2年。ここ最近耳になって「テレビ離れ」という言葉もすっかりお馴染みとなった昨今で御座いますが、改めてTV時代を振り返って(なんで、CM入りのテレビ番組を楽しく観ていたんだろう?)の理由を考察してみょうと思います。

(テレビ大不評の今でも“寂しがり屋テレビっ子”の自分とっては、TVは「クマのおにんぎょさん」的な存在。「クマのぬいぐるみと一緒じゃなきゃ眠れない!」と似たような真理だけど、「TVを観なきゃ眠れない!」人間なので、就寝前には観る番組が無くても電源を入れてしまうコトが多いのです。)

テレビが変わったの、視聴者が変わったの?


はてなブの“テレビ批判記事”を読むと「テレビの終焉」「テレビはつまらなくなった」といった厳しいご意見が飛び交っておりますが、たった数年でそこまで大規模な変化が起こったようには思えないのですよ。今でも、Twitterを開けば(イチロー打ったのか?)とか(NHKスペシャルの完成度は高いなぁ)とか、割と頻繁にテレビの話題が流れてきます。

携帯やiPhone 片手に「もばついったー」を使って“ながら更新”している姿には時代の変化を感じるものの、ニコニコ動画の実況プレイ動画「ニコニコ動画のゲーム実況プレイ動画を語ってみた - 最終防衛ライン2」や「初音ミク」のような一般ユーザーが投稿した動画が人気を博している現在でも(コンテンツの中心はテレビ局が製作した番組)であるのは紛れも無い事実だと思うんです。「ニコニコ動画」や「Twitter」の登場で1人1人の時間の使い方は大きく変わったけど、たった2年〜3年で(おもしろさの基準・価値観)を覆す程、巨大な力は持ってない。「おもしろい作品はおもしろい」「つまらない作品はつまらない」

それは今の子供が40年近く前の作品である「ドラえもん」を楽しく観ているように、人間にはどこが普遍な価値観があるはずなんです。


CMが“続きを見るための”チケット代だった時代。


TVを「クマのお人形さん」代わり使ってきた自分にも、そろそろ卒業の季節が訪れてたようです。

あれだけ好きだったテレビも殆ど観なくなり、夜の習慣もテレビからパソコンに変わってる。何故かどの番組を観ても不快感が漂っているのです。自分は「めちゃ×2イケてるッ!」が好きで、初期の頃からビデオに録画してまで観ていますが、めちゃイケでさえ最近はどうにも(おもしろくないなぁー)と感じる機会が多くなった。それで思ったのです。(なんで、CM入りのTV番組を観てたんだろう?)って・・。

今じゃ「DVDレコーダー」で“CMをすっ飛ばす”して観るのが当たり前になっているけど、昔も“ビデオデッキ”(死語ですか?)の早送りでCMは飛ばせたし、ビデオ3倍(これも死語ですか?)にすれば1本で約6時は録画できる。6時間も録画でれば1日〜2日は十分に事足りるし、新聞の「Gコード」(・・死語?)を使えば簡単に録画もできた。でもわざわざ録画せず、殆ど放送時間に視聴して、しこたまCMを見ていたけど、今ほど不快に感じるコトってなかった様な気がするんです。

おそらく、その気持ちの変化が(テレビがつまらなくなった!)(低俗バラエティー番組ばっかり!)へと視聴者を導いているんじゃないか。つまり、昔のテレビは“テレビ局と視聴者”が“Win−win”の関係だった、少なくとも自分はそう思うのです。鋼の錬金術師でいう「等価交換」の原則が成り立ってて、(土曜8時の「めちゃイケ」1時間=人生の1時間)が交換できてた。だから特段の不満もなく、むしろ満足感の方が高かったのかもしれません。逆に今は、“テレビ局と視聴者”が“Win−Loss”の関係のかなぁーって感じてたりするんです。

-番組と時間の価値が等価交換できていない。
-CMスキップしてもなお、番組と時間の価値が見合ってない。

(ある意味、NHKの不祥事が起こって「NHKなんかに金が払えるかー!」といって滞納者がいっきに増えた時と似たような心理かもしれないですね・・。)


馬鹿でなければテレビじゃないじゃん!


冒頭で「めちゃ×2イケてるッ!」が好きって書きましたが、めちゃイケの何が好きかっていうと、それは(しょーもなさ)なんですね。体で作れない栄養素を食べ物で補って、仕事や学校での疲れやストレスを吹っ飛ばす。そんなビタミン剤としての「めちゃイケ」が好きなんです。

めちゃイケも数々の伝説的な企画がありますけど、その(しょーもなさ)ったらありゃしない。

幾つか例を上げてみると・・

2000年5月13日放送。よゐこの二人がナインティナインのオールナイトニッポンにハガキを送り採用させナイナイを驚かすために企画した。

ハガキを送り続けたが一年経っても一向にハガキは採用されず、ついには企画のお蔵入りにまで追い込まれたが(ハガキ代を含め一千万円の制作費がかかったため)、最後の最後で武田がPN「お台場シンディ」で出したハガキが採用され企画は成功したが、よゐこの出したハガキは1枚も採用されることなく終了した。

ナイナイどっきり企画 ハガキ職人大作戦

人の往来の激しい場所に、矢部の持ち金を放置。30秒間誰も拾わなければ倍になって矢部に戻るが、拾われたらアウトという過激なコーナー。

さすらいのギャンブラー矢部浩之の持ってけ100万円

「1年間もラジオ番組にハガキを送り続けて制作費が1000万円を超えた」とか、「道端に100万円を置いて拾わせる」とか、それを大の大人が必死こいて考えて、膨大な予算をつぎ込んで放送する。ホリエモンがGIGAZINEさんのインタビューで「テレビは放送作家の頭で考えものでしかない」って語ってましたけど、まさに仰る通り。めちゃイケで言うならすますま・すずき、伊藤正宏、御影屋聖、元祖爆笑王」+総監督や中島Pが考えたものでしかない。

でもああやって全力で笑いを生み出そうとする姿、そんなのカッコイイじゃないですか。^−^

インターネットっていうのは双方向で面白くて、テレビなんかより全然面白いんだ、と。テレビってのは放送作家とかの頭の中がただそこにあるだけじゃないですか。だから見てる側とそこで化学反応が起きない。コンテンツのおもしろさが広がらないんですよね。

新聞やテレビが絶対に書かない「ホリエモン」こと「堀江貴文」の真実〜ロングインタビュー後編〜 - GIGAZINE

ネットの何が面白いって、それは「コンテンツの質」でもなければ「双方向のコミニケーション」でもなく、何が起こるか分からないワクワク感だと思うんです。それはかつてTVにあって、今はインターネットにあるもの。

それが逆転する日、そんな日が来るのしょうか・・。