古くはアトム、昭和のドラえもん〜平成のけいおん!まで続く。名作アニメの主題歌が名曲である必然的な理由。
名作アニメの主題歌って、何故か名曲が多いよね。
直接、口にしたり議論の対象になる事は少ないものの、アニメファンならずとも薄々気付いているであろう疑問です。
古くは鉄腕アトム、そして昭和のドラえもん〜平成のけいおん!まで。国民に愛され、名作と称されるアニメ作品には共通して(主題歌が名曲になる)という不思議な現象が起こってしまう。それは年代に囚われず、ここ2.3年でも「涼宮ハルヒの憂鬱」「マクロスF」ファンから愛される作品の主題歌は名曲である確率が非常に高いです。
国民的なアニメソングの名曲といえば「サザエさん」「ドラえもん」は言うまでもありません。
お前が勝手に名曲だと思ってるだけだろ、こっちは名曲とは思ってないよ!
それを言ったら終わりですが、名曲であるか否かは人の主観で成り立っているのは事実です。ただ名曲といわれる曲は売り上げ枚数的にも成功してますし、放送が終了しても尚、YouTubeとかで聴き続けられ単体でも評価されるのなら、それは名曲ではないかと。参考までに、ここ半世紀の名曲アニソンをまとめてみました。
作品名 | 放送次期 | 主題歌 |
鉄腕アトム | 1963年1月1日〜1966年12月31日 | 鉄腕アトム |
ゲゲゲの鬼太郎 | 1968年1月3日〜2009 | ゲゲゲの鬼太郎 |
サザエさん | 1969年10月5日〜放送中 | サザエさん |
ドラえもん | 1973年4月1日〜放送中 | ドラえもんのうた |
アルプスの少女ハイジ | 1974年1月6日〜1974年12月29日 | おしえて |
機動戦士ガンダム | 1979年4月7日〜1980年1月26日 | 翔べ! ガンダム |
ドラゴンボール | 1986年2月26日〜1989年4月19日 | 魔訶不思議アドベンチャー! |
ちびまる子ちゃん | 1990年1月7日〜放送中 | ゆめいっぱい,おどるポンポコリン |
クレヨンしんちゃん | 1992年4月13日〜放送中 | オラはにんきもの |
新世紀エヴァンゲリオン | 1995年10月4日〜1996年3月27日 | 残酷な天使のテーゼ |
名探偵コナン | 1996年1月8日〜放送中 | STEP BY STEP,Secret of my heart |
涼宮ハルヒの憂鬱 | 2006年4月〜2006年7月 | ハレ晴レユカイ |
で、肝心の「名作アニメの主題歌は何故、神曲率が異様に高いのか。」という理由。その説明を、以下に書いてみょうと思います。
名曲アニソンは作品の要約から生まれる。
↑結論からいって、これが理由ではないかと。
アニメの主題歌(OP・EDを含めて)は基本的にアニメのためにつくられた曲です。
(今は、タイアップ優先で作品と無関係な曲も増えましたが・・)
作品のために作られた、主題歌・挿入歌・イメージソングのほか、インスト曲やBGM、劇中で使用された歌謡曲など一般の曲も含み、特撮・漫画・ゲーム・ラジオドラマなどの楽曲も広義には含まれるうえ、多様なコンテンツが複雑に絡み合う商業展開や、1980年代に始まったタイアップ戦略などにより、その概念は非常に曖昧なものになっている。
自分は楽曲制作の過程は知りませんが、作品の主題歌という冠が付いてる以上、依頼された作品の絵コンテなり、脚本なりを読み込んで作品に合った楽曲を作る。素人感覚ですが、これが音楽家のお仕事であると思ってます。なので、楽曲は必然的に、作者の思いや、作品から汲み取って構成された楽曲であるはずなのです。
つまり、「ドラえもん」の主題歌は「ドラえもん」の要約であり、
「サザエさん」の主題歌は「サザエさん」の要約であるはず。
実際、歌詞をみてもそうです。。
こんなこといいな できたらいいな
あんなゆめ こんなゆめ いっぱいあるけど
みんなみんなみんな かなえてくれる ふしぎなポッケで かなえてくれる
も、え、あ、が、れ もえあがれ 燃え上がれ ガンダム
君よ 走れ
まだ 怒りに燃える 闘志があるなら
Don't say lazy は、けいおん!の要約。
Please don't say“You are lazy”だって本当はcrazy
能ある鷹はそう 見えないとこにピック隠すんです
想像に一生懸命 現実は絶体絶命 発展途中だし…
だから不意にピッチ外れるんですその目に映らないだけだって やる気はメーター振り切って
いつでも全力で夢見て その分全力で眠って
うんっ、作品の内容を要約したら何で名曲が生まれるの?
これも仮説なんですけど、名作アニメ(上記に挙げている様な)って作者から読者へのお手紙がとっても簡素にまとまっているんですよね。例えば「ドラえもん」であれば、F先生が生前語っていた言葉にもありますけど、
子どもは成長するにつれ、彼等を取りまく日常性の中に取りこまれ順応して行くわけですが、夢と冒険に憧れる心は失って欲しくないと思います。
ヤカンレコーダー語録 ドラえもん2
よく言われる、ドラえもんに込められた(夢見る心)や(好奇心)といったF先生のメッセージ。
「恐竜の化石をタイムふろしきで元に戻して、恐竜を育てる」(のび太の恐竜)とか。
「自由研究で地球を作っちゃう」(のび太の創世日記)とか。
ドラえもんって誕生から40年経った現在でも、コロコロコミックに再掲され続けているらしいですが、ドラえもんの道具を使ってのび太が引き起こすドタバタ劇やタイムマシンで過去未来問わず、どこでもドアで世界を問わず巻き起こる冒険の旅。それは直接言葉で(ドラえもんってこうなんだ!)と語れなくても、どの年代どの世代が読んでも、F先生が描いたSF(少し不思議な)世界を体験して、夢や好奇心を抱いているはずです。
さっき、「名曲は作品の要約から生まれる。」と書きましたけど、アニメのOPやEDを聴いて、聞き手の心に一番深く突き刺さるものって作者の思いを言葉に変換した「歌詞」なんじゃないかって。アニソンの独特なメロディーが好きだっていう人も多いけど、まず「こんなこといいな できたらいいな 」という言葉にグッと心を引き込まれて、その次にメロディーが流れ込む。その思いをギュッっと1分間のOPやEDの中に凝縮させるからこそ、聞き手の琴線に触れて心の増幅装置によって何倍にも増幅されて、心に残る曲が生まれる理由ではないかと思ったんです。
逆に、駄作といわれているアニメ(これは好みの問題ですが、世間一般的にです)。
そういう作品って、中身がごちゃごちゃしずきて根本にある思いが観る側に届く前にエネルギー切れで消えてしまっている。名の知れた監督や潤沢な予算を投入して、番宣CMもバンバン流して、主題歌も有名アーティストがタイアップで歌う。これといって駄作要素はないはずなのに、いざ作品を観ると何故か空々しい。やっぱり、主題歌を作る側も、作品の絵コンテを読み込んで限りなくイメージに合わせたって、結果的に生まれる作品は「ごちゃごちゃ」したものになってしまう。それは、「しょうがない」で済まされる問題だと思うんです。
つまり、
名作アニメの主題歌が名曲な理由=「作品から作品に込められた思いが読み取れる。」
駄作アニメの主題歌が名曲でない理由=「ごちゃごちゃしていて根本的な思いが読み取れない」
長々と書いてみましたが、以上が主題歌が名曲である理由の考察です。
もし反論がお有りでしたら(名作だけど主題歌が最悪だった曲)をコメント欄経由で教えて頂けると幸いです。
それをまとめるのも面白いかも♪