40年前ドラえもんはテカテカでのび太よりも身長が高かった?!大全集で見比べる3種類の第1話と相違点。

まちに待った日がやって来ました。F先生が描いた愛らしいキャラクターの数々、そして名作を網羅するF先生の百科事典とも言える「藤子・F・不二雄大全集」の第1期(ドラえもんパーマンオバケのQ太郎)の発売です。

3巻全部買えば良いとも思ったのですが、やっぱり自分が一番好きなのは「ドラえもん(正直言うと、パーマンオバQも素人レベルの知識しかなかったり。ごめんなさい、後で後で買い足してお勉強します!!)これは確実に手に入れなければと、売り切れる前にAmazonに予約して、しかと手に入れましたよ♪

F先生の百科事典といっても嘘じゃないような、分厚さです。

携帯百景(ケイタイヒャッケイ)  携帯百景(ケイタイヒャッケイ)

横から比べて。

携帯百景(ケイタイヒャッケイ)


全ページ数781P。1冊に「57編(+予告2編)」を収録。今回のドラえもん大全集では「世代別学年繰り上がり」という収録方法を採用しているようで、第1巻では「1959年」「1960年」「1961年」生まれの人が当時の、のび太と同年代になるように構成されているそうです。といっても、1959年で小学四年生(10歳位?)だと、

今の年齢で60歳近く年齢になりますね。(さすがに、連載当時の雰囲気は分かりませんがww)

ドラえもんが誕生から40周年を迎えると考えれば頷けるんですけど、その作品が今も「コロコロコミック」に再収録されて、現代の子供たちが自分達や連載当時の世代と同じようにハラハラ、ドキドキしながら笑顔になってる姿って、何だか不思議な気持ちです。「糸なし糸電話」に夢を抱いていた子供の頃とは違って、今では小学生でも携帯を持つのが当たり前のようなになって、家に大型モニターがあったり、ドラえもんで描かれていた未来が現実の世界に登場しているのに、それでも夢いっぱいの世界は色あせない。F先生の作品が日常を切り取った普遍なテーマを扱っていたんだなぁって、改めて思います。世の中って機械は変わっても、そんなに変わらない・・。

F先生の有名な言葉に「SF(少し不思議な物語)」というのがあるけど、ドラえもんってまさにこの言葉を総称したような作品なんですよね。のび太ジャイアンにイジめられて、のび太ドラえもんに泣きついて、のび太が道具の間違った使い方を披露して貶められる。別にそこに、具体的な問いかけとか直接的な思想は含んでなくて、まさにSF、その不思議な世界観が面白いんですよね。

変ドラ+プラスさんに書いてあったけど・・。

基本的にF先生のギャグのスタイルは《ツッコミレス》なんですよね。常にボケっぱなしで、ツッコミを本編に入れない。入れたとしても「なんだ、こりゃ?」に代表されるような、《突き放し》タイプ。この感覚が「白け」具合を増幅させるのです。
[http://hendora.blog72.fc2.com/blog-entry-9.html:title=
変ドラ+プラス ドラえもん第一巻レビュー(その1):]

ミノタウロスの皿なんて、まさにそう。(最後の1カット。ステーキをほうばる姿を見て、口があんぐりとしてましたww)


藤子・F・不二雄」大全集で見比べる3種類の第1話と相違点。

分厚さもさる事ながら、今回の「ドラえもん①」の凄さはドラえもん第1話が3種類も収録されている事です。
実は、ドラえもんは当時「小学4年生〜6年生」まで同時に連載されていて、F先生は年代によって言葉のニュアンスだったり設定を微妙に変えて連載されていたました。一番有名なのは、てんとう虫コミック1巻に収録されている「未来の国からはるばると」だと思うのですが、第1話はそれ以外にも・・

1970年小学3年生1月号「机からとび出したドラえもん
1970年小学2年生1月号「未来から来たドラえもん

の計3つの第1話が収録されています。

以下、てんとう虫コミック1巻「未来の国からはるばると」との相違点をまとめてみました。
(まだ連載初期の段階で、ドラえもんの設定が固まっていなかった様子が伺えます。)

1970年小学3年生1月号「机からとび出したドラえもん

  • のび太がお年玉を貰う場面から始まる。
  • のび家に一番初めにやっくるのは「セワシ」。
  • セワシのび太の将来の心配ではなく、「年に一度のお年玉がたったの50円!」と、未来からやって来た理由の焦点が学力ではなくお年玉に当てられている。
  • のび太の机から「セワシどこにいったの!?」と、セワシのママの声が聞こえてくる。(※アニメ版のようなワープ空間はなく、タイムマシンの出口と未来の入り口が直で繋がってると予想されます。)
  • ドラえもんセワシの事を「セワシ君」ではなく「セワシ」と呼び捨て。
  • タイムテレビが未来の様子を映し出すモニターでなく、未来の姿をホログラフィとして現実に映写する映写機としての道具。
  • タケコプター(ヘリトンボ)は登場せず。
  • ドラえもんが異様にデカイ。

1970年小学2年生1月号「未来から来たドラえもん

  • のび太の身長が20cm位、小さく描かれている。
  • のび太が寝ながら餅を食べているのではなく、新年会で発表する「歌」の練習をしている。
  • ドラえもんセワシは2人同時に机の中から登場する。
  • ドラえもんが道具を使って、のび太の通信簿を調べる場面がある。
  • ドラえもんが22世紀からではなく「百十一年あとの世界からせかいからさ」と、具体的な年数を伝える。
  • しっぽを引っ張ると姿が消える。
  • スネ夫の目が吊り目。
  • のび太の両親への呼び方が「とうさん・かあさん」
  • 「未来の国からはるばると」とは違い、のび太ジャイ子と結婚して会社が倒産するという、悲惨な未来像は全てカット。

携帯百景(ケイタイヒャッケイ)

後、他の作品を読んでて気付いた点としては・・

  • 当時は、タイムマシンが乗り物ではなくドーム型の移動装置だった。
  • 「おざしきゲレンデ」はAC電源。
  • ドラえもんは若者口調で「〜ぜ」と言っていた。

こうやって見ると、学年に合わせて言葉遣いや表現の按配を変えて連載されていた事がよく分かりますね。
この、「ドラえもん①」には他にも、「さよならドラえもん」とは別バージョン(タイムワープが法律で規制させて、ドラえもんが未来へ変えられければなからくなった)のドラえもん最終回「ドラえもん未来へ帰る」が収録されていますが、話が長くなったので、それは追々。

この「でた!」の予告を見れただけで、感激です♪

携帯百景(ケイタイヒャッケイ)

ドラえもん 1 (藤子・F・不二雄大全集)
おすすめ度の平均: 4.5
4 藤子先生に激励のお便りを!
4 懐かしく 素晴らしく
5 最終回と伝説の予告
5 お買い得

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