NHKニュース7の視聴率は上がってる?13年間の視聴率データを調べて分かった、“勝手に視聴率白書2009”。

以下、御託です。長いなぁーと思いましたら、読み飛ばして頂いても構いません。)

週刊ダイヤモンド東洋経済で「テレビ大不況」といった特集が組まれ、サムプライム不況と相まって軒並み減収減益のテレビ業界。最後の護送船団といわれ、安定的な視聴率を稼いでいたのも遠い昔(?)。はてなブでは(テレビはつまらなくなった!)の大合唱です。犯人はだぁーれ?と、テレビ局VS視聴者の間で(テレビがつまらなくなった!)(生活の多様化)(YouTubeニコニコ動画の違法動画)など等、火花ジリジリ犯人探しゲームが発熱する今日この頃で御座いますが、素朴な疑問として(テレビ局の視聴率ってどの程度下がっているの?)という議論がすっぽり抜け落ちている気がするのです。

ニコニコ動画やWiiがテレビ離れの一因と言われるけど、じゃあテレビの視聴率って何%位下がっているの?

というわけで今回、12年間分の視聴率データを集計して(いったいどの程度、何時から「テレビ離れ」が始まったのか?)調査してみょうと思うのです。

調査方法

そこまで詳細なデータは手に入らないので、今回は2つの分野で調査してみたいと思います。まず1つ目は万人が見るであろう「ニュース番組」。そして2つ目は「若者向け番組」です。今回の調査ではそれぞれ2番組ずつ、(春・夏・冬)それぞれ2週間分の視聴率を調査してみました。

調査には、以下のブログやサイト。Google検索を利用させて頂きました。

(※本来なら全期間の視聴率調査が限りなく正確に近づくと思うのですが、さすがに13年分のデータ全ての調査は時間が掛かり過ぎますっ!)

今回、視聴率調査の対象にした番組は以下の3点の理由から選んであります。

1.13年間の視聴率調査が可能。
2.内容にそれほど変化がない。
3.現在も放送している番組。


ニュース番組

ニュース番組の調査には「NHKニュース7」と「ニュースステーション(※報道ステーション)」の2番組を選んでみました。NHKはお年寄りに強いのが選択理由で、ニュースステーションはNHKよりも若い人向けなのではないか?という勝手な推測です。



あれれっ?、な結果です。

テレビ離れ”で軒並み視聴率低下で苦しんでいるはずのテレビ業界ですが、ニュース番組に関しては近年、突出してガクーン!と視聴率が下がるワケでもなく割りと安定的な視聴率を稼いでいるようです。NHKに関しては団塊世代の退職という影響も考えられますが、民放10時台に放送している「報道ステーション」まで視聴率が安定しているというのは、ちょっと以外ですね。

芸能人がたくさん出るバラエティー番組 < ニュース番組

というコトなのか分かりませんが、必ずしも視聴者がテレビから離れているとは言えないようです。確かに、10代〜20代ではYouTubeや携帯といった他メディアに流れる傾向が強いですし、ネットでは「マスゴミ」という言葉があるように、大手メディアの報道姿勢や報道内容に対する不信感が高まって(ニュースは信用できない!)と思う視聴者も増えているのかもしれません。ただ推移を見る限りでは“バラエティー番組→ニュース番組へ”観る番組のジャンルを変えている視聴者も、少なからず居るのではないでしょうか?

お年寄りのテレビ視聴に関しては、こんなデータもあるそうです。

「テレビの時間」高齢者は若者の2倍! 年齢で大きく異なるメディアへの接触時間:Garbagenews.com


若者向け番組

こちらは調査できる番組が幾つかありましたが、なるべく王道の番組を選びたかったので「SMAP×SMAP」と「ミュージックステーション」の2番組で調査してみました。バラエティー番組は内容によって視聴率が大きく変化しますし、特に「SMAP×SMAP」の人気コーナー(ビストロSMAP)では、ゲストが「ウィル・スミスさん」や「松坂大輔選手」のような人気スターの時には当然、視聴率も上がっているはずです。

なので、あくまで参考程度にご覧になって頂けると幸いかと思います。



うん確かに、年々視聴率は下落傾向にあるようですね。特に「テレビ離れ」という言葉を頻繁に聞くようになったここ最近は、視聴率が伸び悩んでいるようです。ただこの視聴率推移で注目したいのは“推移”だと思うんです。

2000年以前というのは割りと視聴率が安定傾向にありますが、2000年以降は視聴率のグラフがギサギサになっている。これは生活の多様化や携帯やネットといった娯楽の多様化によって、“時間の選択しを選択肢を迫られた”というコトだと思うんです。

ここに、若者の時間の使い方に影響を与えたであろう“娯楽”を羅列してみます。

つまり、娯楽が増えたコトによって(テレビ番組を惰性で見る)という生活習慣が変わってしまったんじゃないかと思うんです。(面白かったらみるけど、つまらないかったらいいや・・)と。携帯やネットが登場する以前って1週間の中でテレビ番組のスケジュール的なモノがあったじゃないですか。例えば月曜日だったら「コナン→世界まる見え→月9→スマスマ→あいのり→寝る」(頭には不健康だけど、こりゃ健康的な生活です)みたいな・・。

それが今では、テレビは絶えず見るものではなく(見たいものがあったら見る)という視聴スタイルに変わってしまった。「あー、ビストロに松坂選手が出るんだ。見ようっと♪」「あっ、今日のゲストは嫌いだから良いや。」という変化が、視聴率の大きな変動を表しているのではないかと思うのです。ただ携帯やネットが普及したといっても、視聴率が極端に下がっている訳でもなく、ここ最近の番宣弾幕西遊記」「HERO」「ゲゲゲの鬼太郎」(?)に嫌気がさしたとも考えられますし、SMAPさんやタモリさん、番組自体がマンネリ化しているとも考えられます。

ただ、電通さん(あえて)や博報堂さん(あえて)の豆腐(兆)を見ても分かるように、スケールが桁外れですからね・・。

「フジテレビの”月9ドラマ”で30秒CM1本あたり、約800万円と言われています。スポンサー1社あたり1クール(3か月)の契約を結ぶと約1億円」(中略)

ちなみに、フジテレビのスポットCM(15秒)の料金の目安としては、視聴率1%あたり9〜10万円くらいなのだそうです。視聴率10%の番組なら1話あたり100万円。そりゃあ、「数字にこだわる」のも理解できます。

フジテレビ社員の羨ましい年収 活字中毒R。

勝手に視聴率白書2009

彼女たちの話を聞く限り、同じようなテレビ番組、情報バラエティーが増えた結果、テレビ番組間の違いがなくなった。それにより、ジャンル全体が飽きられた。テレビ全体が飽きられた。それによる顧客流出が起きている。パイの縮小化が起きている。そんな様子がうかがえた。
情報バラエティー番組増加がテレビ離れを加速させる - タケルンバ卿日記

タケルンバさんが主婦の方とテレビ番組について議論した内容がまとめられている記事なのですが、とっても興味ので紹介させて頂きます。

おそらく、これは主婦層に限った話ではなく全視聴者に共通するものだと思うんです。よく(昔のテレビはおもしろかった!)という意見を聞きますが、今と昔、テレビ番組の大きな違いって「独自コンテンツ」だと思うんです。

つまり、「それ」を見ているのか「その」を見ているのか。

1996年の代表的な番組で言うなら「ウリナリ」の(ポケットビスケッツ)何て、まさに「それ」じゃないですか。ポケビが見たいからチャンネルを回した。ラビが見たいからチャンネルを回した。対して今のテレビって「その」だと思うんです。「そのゲストが見たい」「その宣伝で来てる」とか、別にそこでやる意味がまったくない・・。

生活や娯楽が多様化して、見ない映画の番宣を見る余裕がなくなってしまった。それなのに「番宣番組」や「クイズ番組」が乱立している。視聴者とテレビ局のギャップ、これが「テレビ離れ」の正体なのかもしれないです。

あまり正確なデータではないので、あくまで参考程度でお願いします。

ザ・テレビ欄 1975~1990
ザ・テレビ欄 1975~1990
posted with amazlet at 09.04.25
テレビ欄研究会
ティー・オーエンタテインメント
売り上げランキング: 5284
おすすめ度の平均: 5.0
5 やられた!