学校で牛乳瓶のフタが流行った時のような、青臭い思い出。

子供の頃、クラスの中で変な物が大ブームメントを起こすことが度々あった。

「牛乳瓶のフタ」「匂いつき消しゴム」「筋肉マン消しゴム」「スーパーボール」「ビックリマンシール」「遊戯王カード」。それらは特別高価な物ではなく、子供のおこずかいでも買える小さな物。誰が最初に集め始めたか?そんな追求に興味はない。1人・・2人・・周りの友達が集め始める。最初の勝敗は(量)。しだいに、(質)が勝敗を決めるようになった。僕も負けじと、それを集め始めた・・。いゃ、仲間に入りたかったのかもしれない・・。

今日こそ当ててやる!稀に当たるアイテムを夢みて、放課後、家から10分程度の商店街まで歩いた。僕の足は短い、大人より時間がかかっちゃう。えっちらおっちら、ポケットの中の小銭を握り締めて。

汗ばんで、まっかっかになった手。子供の僕にとっては、何だか勲章みたいだった。(笑)
僕は、10円玉に願いを込めた。(どうか当たってください!

機械に10円玉を入れ、懇親の力を込めてレーバを回した。この瞬間、僕の頭の中では夢が猛スピードで展開される。それはちっぽけな、クラスで少しだけ憧られる自分の姿だった。でも、現実は厳しい。機械から出てきたのは、12個目のあいつ。皆からは嫌われているけど、僕は以外と好きだった。1日1回、大人になった今とは違って、子供の僕にとっては1回でも大金。だから、何が当たろうと文句は言えない。

帰るとき、10円玉を握り締める僕の姿は夢でいっぱいだ・・。

友達とのコレクション自慢。放課後、みんなで買いにも行った。楽しい時間。あっという間に時は流れる。1ヶ月・・2ヶ月・・誰がやめるとも言わず、自然とブームは去っていく。それは、台風が去った朝のように。部屋の隅に置かれたコレクションが、まるで落ち葉のように、ブームの痕跡だけを残して・・。