Mステ、「今週のオリコンシングルチャート」でタモさんと竹内由恵アナが祝うもの。

今週もMステで、タモさんと竹内由恵アナがオリコンの「シングルランキングTOP10」に入ったアーティストに対して(第○位、○○おめでとうございます。)と、お祝のコメントを述べてた。もう、かれこれ20年以上も続いている金曜日の光景。別にタモさんに不満はないけど、最近この光景を見ていてふと思った事があります。

それは、

このお祝いコメントは何を祝っているんだろう?

という事…。

この時点で読者の頭の上には「?」が浮かんでそうですが、今まで自分がお茶の間で楽しんできたMステの歴史を紐解いても、タモさんが「100万枚達成おめでとう!」とも「消費者に支持されてますね!」とも言った記憶はない。(※アーテイストのトークの中では話題に出たりします。)タモさんは社交辞令的にお祝いのコメントを進行上言ってる…タモさん的に深い意味は無いと考えればそれまでですが、音楽番組での「CDランキング発表」が何の意味を持って放送されているのか疑問に思っている自分にとって、さらに祝う事は「世界不思議発見」並みの疑問なのです。

ざっと思いつくタモさんの祝っているものを挙げてみると…

  • 純粋に順位がTOP10に入った事に対するお祝いコメント。
  • 売り上げがTOP10に入った事へのお祝いコメント。
  • 曲が消費者から評価された事へのお祝いコメント。
  • 深い意味もなく、社交辞令的なお祝いコメント。

1つめ、順位のお祝い。

1番目は純粋に順位に対するお祝いですが、これは文法的に意味不明です。
順位を祝うというがよくわかりません。オリンピックにしろランキングにしろ順位付けがあっての1位、しかも祝い対象は「順位」ではありません。オリンピックの1位は、その競技の中で彼方が世界1位です…という表彰ですから、この「順位を祝う」というのは間違いだと思います。

2つめ、売り上げのお祝い。

これは一番可能性がある選択肢。「オリコンチャート」はCD販売店にあるPOSからの情報を集計した売り上げデータランキングなので、売り上げを祝っているなら正しい事になります。

3つめ、曲の評価のお祝い。

うーん、これは悩ましい所です。世間的に「オリコンチャート1位=いい曲」というオリコン神話的なものが世の中に形成されていますが、オリコンチャート1位といい曲は必ずしも=とは限らない。

例えば今のチャートを見ても、SMAPや嵐といったジャーズ系モーニング娘やAKB48といったアイドル系けいおん初音ミクといったオタク系、ファンクラブ会員数の多いジャニーズ系や、AKB48のように「握手会」のような特典を盛り込んだCDの方が枚数を稼ぐのは必然的(オリコンには1店舗の複数買いはデータから除外するシステムがあるそうですが、大手レーベルが順位を上げるために水増し買いをしているという噂もあったり、なかったり…。)

オリコンチャートは視聴率的なもの?

米国に「ビルボード」というの有名音楽チャートがありますが、その中に、日本のシングルチャートに当たる「Billboard Hot 100」というものがあります。これは日本とは違い、ラジオの放送回数やダウンロード数といった複数の要素を元に発表されているシングルチャート。ウィキの情報によれば…

Billboard Hot 100(ビルボードホット100)はアメリカ音楽産業における標準的なシングル人気チャートである。週刊で『ビルボード』に載っている。チャートの順位はエアプレイとセールスに基づいている。

(中略)

・Hot 100 Airplay(ホット100エアプレイ)

(『ビルボード』による)約1000のラジオ局において行われる。「アダルト・コンテンポラリー・ミュージック、R&B、ヒップホップ、カントリー・ミュージック、ロック、ゴスペル、ラテン、クリスチャン・ミュージック形式の曲をデジタルで1日24時間、1週間ずっと調べる。チャートは聴衆へ曲が届いた回数で決められ、ラジオの正確なエアプレイ回数をアービトロンの持つリスナーデータを参照にすることで算出している。」

・Hot 100 Singles Sales(ホット・シングルズ・セールス)

(『ビルボード』による)「売れているシングルを小売店、量販店とインターネットによるセールスで計る。そのデータはニールセン・サウンドスキャン (Nielsen SoundScan) によって集められ、まとめられ、供給されている。」

・Hot Digital Songs(ホット・デジタル・ソングス)

デジタルのセールスはニールセン・サウンドスキャンによって集計されていて、その曲のセールスポイントも含まれている。

Billboard Hot 100 - Wikipedia

これぐらい多角的にデータを集計して弾き出されているなら「ビルボード1位=いい曲」も頷けます。
方やオリコンはCD販売店の売り上げを集計した「売り上げランキング」です。

で、思うに…

オリコンって過剰評価されすぎなんじゃないか?

という事です。

これは視聴率と同じで、元は身内向けに発表されていた指数が一般に公表されるようになって、視聴者の間で俄かプロデューサーが急増した。実際、毎日の視聴率だけを記録するブログって人気ですし、かくいう自分も俄かプロデューサーの一人です。(笑

紅白歌合戦」が日本でもっとも優れた番組かといえば必ずしもそうではないし、視聴率が低くても素晴らしい番組っていうのは沢山ある。オリコンも同じで、知らない間に「オリコンチャート1位=いい曲」「オリコンチャート県外=だめな曲」という暗黙の了解ができあがったのかもしれません。

ここまで長々と書きましたけど、一つ結論を出すなら…

タモさんはオリコンチャートにそんな深い意味は持ってないと思うよ。

という事ですかね、ここまで書いといてですがww